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相続登記は司法書士と自分でどう違う?費用・難易度を比較して解説

梶原 利恵 / 更新:2026-06-20
相続登記は司法書士と自分でどう違う?費用・難易度を比較して解説
相続登記を自分でやるか司法書士に頼むか、迷う一番のポイントは「費用」と「手間」のどっちを取るかです。結論から言うと、平日に法務局へ通えて書類集めの根気がある人は自分で、相続人が多い・遠方に不動産がある・とにかく早く確実に終えたい人は司法書士に頼むのが向いています。私は司法書士事務所で8年間補助者をしていたので、両方の現場を見てきました。その経験から正直なところを書きます。
  • 相続登記は2024年4月から義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になる。
  • 司法書士報酬の平均は74,888円(日本司法書士会連合会の令和6年3月アンケート)。
  • 自分でやれば司法書士報酬はゼロで、登録免許税と書類取得費の実費だけで済む。
  • 登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」で、自分でも司法書士に頼んでも同額かかる。
  • 相続人が複数・不動産が遠方・平日に動けない人は、司法書士に頼んだほうが結果的に楽。

相続登記 司法書士 自分で 比較の結論

相続手続きを司法書士に依頼したときの費用相場 司法書士を選ぶメリットや信頼できる司法書士の選び方も紹介
相続手続きを司法書士に依頼したときの費用相場 司法書士を選ぶメリットや信頼できる司法書士の選び方も紹介

費用を最優先するなら自分で、時間と確実性を優先するなら司法書士、これが結論です。

司法書士に頼むと報酬の全国平均は74,888円でした。日本司法書士会連合会が令和6年3月に行ったアンケートの数字です。

一方で自分でやれば、この報酬がまるごと不要になります。残るのは登録免許税と戸籍などの取得費だけ。

ただし「安いから自分で」と安易に決めると、平日の法務局通いと戸籍集めで思った以上に消耗します。私が見てきた中でも、途中で挫折して結局事務所に駆け込んだ方は珍しくありませんでした。

判断のコツは費用差(おおむね5万〜15万円)と、自分の時間・手間を天秤にかけること。相続人が一人で不動産も近所なら自分で、相続人が複数いて遠方の物件があるなら司法書士が無難です。

相続登記とは?なぜ司法書士に依頼する人が多いのか

相続登記とは、亡くなった人名義の不動産を相続人名義に変更する、法務局への登記手続きです。

相続登記とは?なぜ司法書士に依頼する人が多いのか

申請先は不動産の所在地を管轄する法務局です。手続きの案内や必要書類は法務局のページで確認できます。

自分でも申請できますし、司法書士に代理してもらうこともできます。司法書士は登記申請の代理や書類作成を業務として扱う国家資格者です。

依頼する人が多い理由は単純で、戸籍集めと書類作成が想像以上に面倒だからです。被相続人の出生から死亡までの戸籍を全部そろえる、というだけで多くの人がつまずきます。

相続登記に司法書士が選ばれる理由

司法書士が選ばれる最大の理由は、書類の不備による「やり直し」を防げることです。

相続登記の書類は、戸籍・住民票・遺産分割協議書・登記申請書と多岐にわたります。1か所でも欠けると法務局から補正の連絡が来て、また平日に出向くことになります。

私が現場にいた頃、自分で申請して補正を2回繰り返し、結局相談に来られた方がいました。その方は「最初から頼めばよかった」と苦笑いしていました。

司法書士報酬は法定料金ではなく、事務所ごとに自由に決められます。だからこそ比較が必要で、平均は前述の74,888円でした。

相続登記を司法書士に依頼するメリット・デメリット

【相続登記は自分で?司法書士に依頼?】「相続登記は自分でも出来ると聞いたのですが、自分で相続登記するメリット、デメリット、司法書士に依頼するメリット、デメリットを教えてください。」(安心相続相談室)
【相続登記は自分で?司法書士に依頼?】「相続登記は自分でも出来ると聞いたのですが、自分で相続登記するメリット、デメリット、司法書士に依頼するメリット、デメリットを教えてください。」(安心相続相談室)

司法書士依頼のメリットは「手間と失敗が消える」こと、デメリットは「報酬がかかる」ことに尽きます。

正直に言うと、この比較はシンプルです。お金で時間と安心を買うかどうか、という話だからです。

司法書士に依頼する場合のメリット・デメリット
観点内容
メリット戸籍収集・書類作成・申請をすべて任せられる
メリット補正や却下のリスクが大幅に減る
メリット平日に法務局へ行く必要がない
デメリット報酬の負担がある(全国平均74,888円)
デメリット事務所ごとに料金差があり比較が要る

司法書士に依頼する6つのメリット

司法書士に頼む価値は、戸籍集めから申請完了まで一切手を動かさずに済む点にあります。

司法書士に依頼する6つのメリット
  1. 被相続人の出生から死亡までの戸籍を代わりに収集してくれる。
  2. 遺産分割協議書を法的に正しい形で作成してくれる。
  3. 登記申請書の作成と法務局への申請を代理してくれる。
  4. 補正や却下のリスクを専門知識で回避してくれる。
  5. 平日に法務局へ出向く時間を丸ごと節約できる。
  6. 遠方の不動産でも管轄法務局を調べて対応してくれる。

特に2番目と6番目は、自分でやると本当に大変な部分です。遺産分割協議書は書き方を一つ間違えると登記が通りません。

司法書士に依頼するデメリット

デメリットは報酬がかかること、そしてその金額が事務所ごとにバラつくことです。

報酬は自由化されているので、同じ手続きでも事務所によって数万円の差が出ます。下は実際に公表されている事務所料金の例です。

司法書士事務所ごとの料金表示の例(相場ではなく個別事務所の金額)
事務所の表示例内容金額
A事務所相続登記の定額報酬66,000円(税込)
B事務所相続登記30,000円
B事務所戸籍収集8,000円
B事務所遺産分割協議書作成5,000円

こうして並べると、定額に見えても範囲が違うのが分かります。Aは一式の定額、Bは作業ごとの積み上げです。見積もりは「何が込みか」を必ず確認してください。

自分で手続きする場合との比較

【相続登記】親の家を相続したら費用はいくら?相続登記は司法書士に頼むべき?自分でやるべき?
【相続登記】親の家を相続したら費用はいくら?相続登記は司法書士に頼むべき?自分でやるべき?

自分でやる場合、司法書士報酬がゼロになる代わりに、実費と手間がそのまま自分に乗ります。

自分でも司法書士に頼んでも、登録免許税は同じく「固定資産税評価額×0.4%」かかります。ここは差がつきません。

差が出るのは報酬と、それに伴う手間です。書類取得費の目安はおおむね次のとおりで、これは自分でも司法書士でもかかります。

書類取得費用の目安(自治体等により異なる)
書類費用の目安
戸籍謄本450円
除籍・改製原戸籍750円
戸籍の附票300円
住民票・除票300円
印鑑登録証明書300円
登記事項証明書600円程度

書類代そのものは数千円程度です。問題はお金より、これを集めて回る手間と時間。実際の請求先で金額は変わるので確認してください。

【判断基準】自分でやるべき?司法書士に頼むべき?

相続人が一人・不動産が一つ・近所、ならば自分で十分やれます。

【判断基準】自分でやるべき?司法書士に頼むべき?

逆に、相続人が複数、不動産が遠方や複数、平日に動けない、のうち2つ以上当てはまるなら司法書士をおすすめします。

自分でやる vs 司法書士に依頼の比較
観点自分でやる司法書士に依頼
費用登録免許税+書類代の実費のみ実費+報酬(全国平均74,888円)
手間戸籍集め・書類作成・申請をすべて自分でほぼお任せ
失敗リスク補正・却下の可能性あり専門知識でリスク低減
向く人相続人が少なく不動産が近所相続人が多い・遠方・忙しい
私の率直な意見:相続人が3人以上いて遺産分割協議が絡むなら、迷わず司法書士です。協議書の不備でやり直すストレスは、報酬以上に重いからです。

かんたん判断フロー

3つの質問にイエスがいくつあるかで、ほぼ決まります。

  1. 相続人はあなた一人だけか?
  2. 不動産は自宅など近場に一つだけか?
  3. 平日の日中に法務局へ行ける時間があるか?

3つすべてイエスなら自分で挑戦する価値あり。2つ以下なら司法書士に頼んだほうが、結果的に時間もストレスも節約できます。

司法書士に頼むべきケース

相続登記は自分でできる?司法書士に相談すべきケースを解説
相続登記は自分でできる?司法書士に相談すべきケースを解説

次のいずれかに当てはまるなら、司法書士に頼むのが現実的です。

  • 相続人が複数いて、遺産分割協議書の作成が必要なケース。
  • 被相続人が何度も転籍していて、戸籍収集が複雑なケース。
  • 不動産が遠方にあり、管轄法務局へ行くのが難しいケース。
  • 平日に役所や法務局へ行く時間が取れないケース。
  • 3年の申請期限が迫っていて、確実に間に合わせたいケース。

相続登記は義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象です。期限が近いなら、自力でもたつくより専門家に任せるほうが安全です。

迷ったらまず無料相談を

迷ったら、見積もりと相談を無料で出してくれる司法書士事務所にまず聞くのが早道です。

迷ったらまず無料相談を

報酬は自由化されているぶん、事務所によって数万円の差が出ます。だからこそ「何が込みでいくらか」を比べる価値があります。

相談の段階で、自分でできそうか・頼んだほうがよいかの線引きも見えてきます。私は「全部頼まず、戸籍集めだけ自分でやって費用を抑える」やり方をすすめることもありました。部分的に頼むという選択肢も覚えておいてください。

よくある質問

読者から特に多い3つの疑問に、事実ベースで答えます。

よくある質問

相続登記 司法書士 自分で 比較とは?
相続登記を自分で申請する場合と司法書士に依頼する場合を、費用・手間・失敗リスクの観点で比べることです。自分でやれば実費のみ、司法書士に頼むと報酬(全国平均74,888円)が加わる代わりに手続きをほぼ任せられます。
相続登記 司法書士 自分で 比較の費用は?
共通でかかるのは登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)と戸籍などの書類取得費です。司法書士に依頼するとこれに報酬が上乗せされ、平均は74,888円。自分でやればこの報酬がゼロになります。
相続登記 司法書士 自分で 比較の始め方は?
まず不動産の固定資産税評価額と、亡くなった方の戸籍の状況を確認します。相続人が一人で不動産が近所なら自分で法務局へ、相続人が複数や遠方なら司法書士の無料相談で見積もりを取るところから始めるのが効率的です。
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梶原 利恵

元司法書士事務所スタッフ(補助者歴8年) ・ 相続・不動産登記分野の専門Webメディア編集者

司法書士事務所での補助者経験をもとに、相続登記・遺産整理の実務を取材・執筆。制度改正や現場の声を一次情報として丁寧に伝えることを大切にしています。

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