相続登記は司法書士と自分でどう違う?費用・難易度を比較して解説

- 相続登記は2024年4月から義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になる。
- 司法書士報酬の平均は74,888円(日本司法書士会連合会の令和6年3月アンケート)。
- 自分でやれば司法書士報酬はゼロで、登録免許税と書類取得費の実費だけで済む。
- 登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」で、自分でも司法書士に頼んでも同額かかる。
- 相続人が複数・不動産が遠方・平日に動けない人は、司法書士に頼んだほうが結果的に楽。
相続登記 司法書士 自分で 比較の結論

費用を最優先するなら自分で、時間と確実性を優先するなら司法書士、これが結論です。
司法書士に頼むと報酬の全国平均は74,888円でした。日本司法書士会連合会が令和6年3月に行ったアンケートの数字です。
一方で自分でやれば、この報酬がまるごと不要になります。残るのは登録免許税と戸籍などの取得費だけ。
ただし「安いから自分で」と安易に決めると、平日の法務局通いと戸籍集めで思った以上に消耗します。私が見てきた中でも、途中で挫折して結局事務所に駆け込んだ方は珍しくありませんでした。
相続登記とは?なぜ司法書士に依頼する人が多いのか
相続登記とは、亡くなった人名義の不動産を相続人名義に変更する、法務局への登記手続きです。

申請先は不動産の所在地を管轄する法務局です。手続きの案内や必要書類は法務局のページで確認できます。
自分でも申請できますし、司法書士に代理してもらうこともできます。司法書士は登記申請の代理や書類作成を業務として扱う国家資格者です。
依頼する人が多い理由は単純で、戸籍集めと書類作成が想像以上に面倒だからです。被相続人の出生から死亡までの戸籍を全部そろえる、というだけで多くの人がつまずきます。
相続登記に司法書士が選ばれる理由
司法書士が選ばれる最大の理由は、書類の不備による「やり直し」を防げることです。
相続登記の書類は、戸籍・住民票・遺産分割協議書・登記申請書と多岐にわたります。1か所でも欠けると法務局から補正の連絡が来て、また平日に出向くことになります。
私が現場にいた頃、自分で申請して補正を2回繰り返し、結局相談に来られた方がいました。その方は「最初から頼めばよかった」と苦笑いしていました。
司法書士報酬は法定料金ではなく、事務所ごとに自由に決められます。だからこそ比較が必要で、平均は前述の74,888円でした。
相続登記を司法書士に依頼するメリット・デメリット

司法書士依頼のメリットは「手間と失敗が消える」こと、デメリットは「報酬がかかる」ことに尽きます。
正直に言うと、この比較はシンプルです。お金で時間と安心を買うかどうか、という話だからです。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 戸籍収集・書類作成・申請をすべて任せられる |
| メリット | 補正や却下のリスクが大幅に減る |
| メリット | 平日に法務局へ行く必要がない |
| デメリット | 報酬の負担がある(全国平均74,888円) |
| デメリット | 事務所ごとに料金差があり比較が要る |
司法書士に依頼する6つのメリット
司法書士に頼む価値は、戸籍集めから申請完了まで一切手を動かさずに済む点にあります。

- 被相続人の出生から死亡までの戸籍を代わりに収集してくれる。
- 遺産分割協議書を法的に正しい形で作成してくれる。
- 登記申請書の作成と法務局への申請を代理してくれる。
- 補正や却下のリスクを専門知識で回避してくれる。
- 平日に法務局へ出向く時間を丸ごと節約できる。
- 遠方の不動産でも管轄法務局を調べて対応してくれる。
特に2番目と6番目は、自分でやると本当に大変な部分です。遺産分割協議書は書き方を一つ間違えると登記が通りません。
司法書士に依頼するデメリット
デメリットは報酬がかかること、そしてその金額が事務所ごとにバラつくことです。
報酬は自由化されているので、同じ手続きでも事務所によって数万円の差が出ます。下は実際に公表されている事務所料金の例です。
| 事務所の表示例 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| A事務所 | 相続登記の定額報酬 | 66,000円(税込) |
| B事務所 | 相続登記 | 30,000円 |
| B事務所 | 戸籍収集 | 8,000円 |
| B事務所 | 遺産分割協議書作成 | 5,000円 |
こうして並べると、定額に見えても範囲が違うのが分かります。Aは一式の定額、Bは作業ごとの積み上げです。見積もりは「何が込みか」を必ず確認してください。
自分で手続きする場合との比較

自分でやる場合、司法書士報酬がゼロになる代わりに、実費と手間がそのまま自分に乗ります。
自分でも司法書士に頼んでも、登録免許税は同じく「固定資産税評価額×0.4%」かかります。ここは差がつきません。
差が出るのは報酬と、それに伴う手間です。書類取得費の目安はおおむね次のとおりで、これは自分でも司法書士でもかかります。
| 書類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 戸籍謄本 | 450円 |
| 除籍・改製原戸籍 | 750円 |
| 戸籍の附票 | 300円 |
| 住民票・除票 | 300円 |
| 印鑑登録証明書 | 300円 |
| 登記事項証明書 | 600円程度 |
書類代そのものは数千円程度です。問題はお金より、これを集めて回る手間と時間。実際の請求先で金額は変わるので確認してください。
【判断基準】自分でやるべき?司法書士に頼むべき?
相続人が一人・不動産が一つ・近所、ならば自分で十分やれます。

逆に、相続人が複数、不動産が遠方や複数、平日に動けない、のうち2つ以上当てはまるなら司法書士をおすすめします。
| 観点 | 自分でやる | 司法書士に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 登録免許税+書類代の実費のみ | 実費+報酬(全国平均74,888円) |
| 手間 | 戸籍集め・書類作成・申請をすべて自分で | ほぼお任せ |
| 失敗リスク | 補正・却下の可能性あり | 専門知識でリスク低減 |
| 向く人 | 相続人が少なく不動産が近所 | 相続人が多い・遠方・忙しい |
かんたん判断フロー
3つの質問にイエスがいくつあるかで、ほぼ決まります。
- 相続人はあなた一人だけか?
- 不動産は自宅など近場に一つだけか?
- 平日の日中に法務局へ行ける時間があるか?
3つすべてイエスなら自分で挑戦する価値あり。2つ以下なら司法書士に頼んだほうが、結果的に時間もストレスも節約できます。
司法書士に頼むべきケース

次のいずれかに当てはまるなら、司法書士に頼むのが現実的です。
- 相続人が複数いて、遺産分割協議書の作成が必要なケース。
- 被相続人が何度も転籍していて、戸籍収集が複雑なケース。
- 不動産が遠方にあり、管轄法務局へ行くのが難しいケース。
- 平日に役所や法務局へ行く時間が取れないケース。
- 3年の申請期限が迫っていて、確実に間に合わせたいケース。
相続登記は義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象です。期限が近いなら、自力でもたつくより専門家に任せるほうが安全です。
迷ったらまず無料相談を
迷ったら、見積もりと相談を無料で出してくれる司法書士事務所にまず聞くのが早道です。

報酬は自由化されているぶん、事務所によって数万円の差が出ます。だからこそ「何が込みでいくらか」を比べる価値があります。
相談の段階で、自分でできそうか・頼んだほうがよいかの線引きも見えてきます。私は「全部頼まず、戸籍集めだけ自分でやって費用を抑える」やり方をすすめることもありました。部分的に頼むという選択肢も覚えておいてください。
よくある質問
読者から特に多い3つの疑問に、事実ベースで答えます。
